「ガボールパッチ」 「ガボール・アイ」とは
「ガボールパッチ」とは右にあるような
縞模様の図形です。 「ガボール・アイ」とはこの
縞模様の図形「ガボールパッチ」を用いた 視力回復法の事をいいます。
ガボールパッチのガボールは 「デニス・ガボール」という人名からきています。
デニス・ガボールは 1971年ホログラフィーの研究で
ノーベル物理学賞を受賞しています。
ガボールパッチも、デニス・ガボールが
考案したもので、ガボール変換という
数学的な処理で生み出される縞模様です。
ガボール変換されたものは、
見ることを司る脳の部分「視覚野」
に作用することがわかっています。
そのため、ガボールパッチを見ることで、
視覚野を刺激して視力回復につながるのです。
「ガボールパッチ」 「ガボール・アイ」の
視力回復
視力回復の研究結果は多くの論文で 述べられています。 大体8割程度の人の視力が回復し、 平均して0.2程度の回復です。 視力0.1以下の人は改善幅が
限定的です。
(だからこそ平松もメガネをしています)
民間治療とガボール
民間療法の視力回復法は信頼できるか? 普段は手術・メガネ・コンタクトなど
様々な視力のサポート方法を行っています。
やはり医師としては「医療機関で治療をしてよくする」
のがすべての基本だからです。
よって「メガネをかけないほうがいい」
「病院での治療よりこちらがいい」というような
民間療法はおすすめしません。
緑内障や黄斑変性という病気の場合、
民間療法は“補助的に”使うのであればいいです。
あくまで、医学的治療を“メイン”にすべきです。
でも、「あなたにやれることなんてない」と
簡単に言って患者さんを突き放したくありません。
そこで、民間療法をご紹介することもあります。
民間療法には、
かえって目を悪くするものも出回っていますから、
もちろんそういったものではない民間療法を使います。
また、医学的な治療だけでは不安を感じる患者さんには、
心のケアと多少でも効果があればという想いで、
民間療法を使うこともあります。
とはいっても、「民間療法ありき」とまでは
考えていません。
近視や老眼という場合、
現在は治療法の選択肢が非常に限られています。
メガネやコンタクト以外に近視であれば、
低濃度アトロピンやオルソケラトロジーや
レーシック・ICL等の手術があります。
老眼にも、手術的な治療が現在紹介されています。
これらの方法で治療をするほうが、効果は高いです。
けれども手術となると、
患者さんは二の足を踏んでしまう。
そういう方への一つの提案としても、
民間療法をお知らせするわけです。
他にも効果的な方法があるのではないか?
「他にないと言い切れないのではないか?」
というご指摘を受けることもあり、
その指摘は間違っていません。
Pub medなど海外の論文を調べていますが、
まだ調べ方が甘いのかもしれません。
あるいは、
他の検索法なら探すことができたかもしれません。
ですから、もし今後、民間療法的な視力回復を
提唱される方は、ぜひ論文化さているものを
提示していただけるとよいかと思います。
ガボールもエビデンスレベルは
日常診療の医療行為のレベルと比較すると低いです。
理由としては
「コントロール群をおいているが症例数が少ない、
メタアナリシスがない」ということがあります。
ですから、将来否定される可能性もあります。
でもそれこそが、科学的であることだと思っています。
科学的な裏付けというのは、
新たな証拠により否定される可能性もあるから
科学と考えています。
『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』
を出版する目的
近視や老眼で、民間治療を希望する方は多いです。 でも医者は「そんなものはない」
と突き放してしまいます。
実際に私も「そんなものはない」と信じていました。
一方で、行き場のなくなった方々の気持ちを利用して、
多額のお金を取る所、
悪影響がある方法を紹介する所も多くあります。
そこで、せめて
「理論的には効果がある、
または実感としての効果がある」
しかし「科学的な検証がされていない」
方法を紹介していました。
ですから、「何か科学的なものはないか?」
と言われても「残念ながらなくて…」
と答えるのが現実でした。
でも「何かないか」と、民間療法的に
「〇〇で治る!」と言われている本は片っ端から
120冊以上は読みました。
今でも、発売される本はほとんど目を通しています。
論文や医学雑誌も100以上読みました。
けれども、「これは」という
視力回復法には出会えませんでした。
そんな中、海外の文献を調べていると
「ガボールパッチ」
というものが科学的に検証されていることを
見つけました。
でも正直、最初は信じていませんでした。
そこでまずは、院内研究として
職員の人に試してもらいました。
すると実際に効果が現れました。
次に、一般の方にも試してもらっても、
効果が出たのです。副作用もありません。
そこで、この「ガボールパッチ」を使った方法を
紹介するのはいいのでは?
と思いました。
なぜなら、このように科学的に検証されている方法を
紹介することができれば、
今後「害がある方法」
「多額のお金を取られる方法」
が出回ることを抑えられると考えたからです。
(それでも多少は、出回るでしょうが)。
視力回復法を普及させるには、
本にするのがベストだと考え、実際に出版しました。
すると、「お前も儲けたいだけだろう?」、
そう思われるかもしれません。
けれどもこの本による収入(印税)は、
ガボールパッチを使った視力回復法である
「ガボール・アイ」が広まるために、
すべて使わせていただいています。
また、これが広まることで自分の所に
患者さんが集まるというわけはなく
(本を読むだけなので)、
かつ勤務医なので患者さんが集まったから
給料が上がるわけでもありません。
単純にこれを広めることで、
怪しい方法が抑えられると思ったからです。
ガボールパッチを書籍化するうえで
書籍化して出版する時苦労したことは
「ちゃんとしたい」という事です。
はじめに、出版社さんから言われたことは
「黒だけだと地味でつまらない。
売れなくなりそうだから、カラフルにしたい」
と言われました。
しかし、現状論文になっているものは
白黒の画像でのものだけです。
カラーを入れると
本当に同様の効果が表れるか不明です。
ですから、
どうにか白黒にしてほしいとお願いしました。
そのため、ちょっと面白みに欠ける
誌面になってしまったかもしれません。
「ほかにも○○を入れたら?」と他の事も言われました。
しかし、科学的な根拠が薄れ、
「売れるかもしれないけど、効果が怪しい本」
になってしまいます。
もちろん多くの人に広めたいですが、
そこまでして広めたくはありません。
「もしかしたら売れないかもしれないけれども、
その時はすいません」と出版社さんには言って、
地味かもしれない誌面を受け入れてもらいました。
でも、これでよかったと思っています。